「平賢」の、静かなる暴走

「平賢」の、静かなる暴走

「平賢」の、静かなる暴走
第5回 肩書き

肩書きとは不思議なものである。今日から「群馬県ふるさと伝統工芸士」という肩書きがついたからといって、昨日までの自分と変わるところは何もないはずだ。せいぜい、その事実を知った人が自分を見る時の目が少し違って来る程度だろう。だが、変わる人がいる...
「平賢」の、静かなる暴走

「平賢」の、静かなる暴走
第4回 群馬県ふるさと伝統工芸士

「群馬県ふるさと伝統工芸士」は、1999年に始まった制度である。県はその6年前から「群馬県ふるさと伝統工芸品」の認定を始めており、その製造に従事し、高度な伝統技術、技法を持つ作り手を、知事が認定することになった。群馬県のホームページによると...
「平賢」の、静かなる暴走

「平賢」の、静かなる暴走
第3回 リバーシブル

【鯉昇り】平賢の創業は昭和33年(1958年)12月。3代目の平田伸市郎さんが経営の舵を取る。小山さんの義父である。小山さんは望んで平賢に職を求めたのではない。大学を出ると群馬県館林市の蕎麦屋に就職した。この店の蕎麦に惚れ込み、「蕎麦職人に...
「平賢」の、静かなる暴走

「平賢」の、静かなる暴走
第2回 ドラえもん

【ドラえもん】2020年2月、東京ビッグサイトで第91回東京インターナショナルギフト・ショーが開かれた。それまでこんな展示会に出ることは考えたこともなかった。捺染業が下請けであるかぎり、出る必要はなかった。だがこの年、小山さんは「そろそろ出...
「平賢」の、静かなる暴走

「平賢」の、静かなる暴走
第1回 価格決定権

2025年6月、桐生えびす講の納涼会。その3年前に「桐生の職人さん」で取り上げた捺染業、「平賢」の小山哲平さんと同席した。少し酒が回り始めた頃、小山さんが意外なことを口にした。その目に、酒の勢いはない。「もう一度取材して書いてくれませんか?...