趣味? からくり人形師佐藤貞巳さん 第13回 修復作業
だが、昭和36年のご開帳が済んでしばらくすると、日本の繊維産業は衰退期に入る。 「糸で縄を買った」 と言われた日米繊維交渉(1970年)が引き金を引いたと言われる。繊維の町・桐生はもろに影響を受けた。町から活気が失われ、...
だが、昭和36年のご開帳が済んでしばらくすると、日本の繊維産業は衰退期に入る。 「糸で縄を買った」 と言われた日米繊維交渉(1970年)が引き金を引いたと言われる。繊維の町・桐生はもろに影響を受けた。町から活気が失われ、...
まず、ボロボロになっていた簑(みの)から修復を始めた。手に持つと崩れ落ちそうに傷んでいた。修理では追いつかないと見ると、麻のロープを買ってきてほぐし、その繊維で簑を作って色を塗った。刀は鞘から出して錆びついた刀身を磨いた...
そして、次々と見つかるからくり人形に市民の関心も高まり、「桐生からくり人形研究会」が旗揚げした。佐藤さんがその第1期会員になったのはいうまでもない。 せっかくの盛り上がりである。郷土の文化をみんなの手で守って行くにはもう...
最初に見つかった「曾我兄弟夜討ち」のハイライトは、曽我五郎、十郎の兄弟が富士の裾野を舞台に、親の敵工藤祐経(すけつね)を討つ場面である。佐藤さんは、ここを盛り上げようと考えた。 オリジナルのからくり人形では、2人の刃に討...
「桐生からくり人形研究会」はその後、「桐生からくり人形芝居保存会」と名前を変え、いまでも活動中である。会員数は約80人。毎月第一土曜日にからくり人形芝居館で定期上演するのは会員たちだ。 頼まれれば、出張上演もする。忠臣蔵...