FREE RIDE ライダーは桐生を目指す その4 転職人生
二渡さんは4度に渡って離職を繰り返した。それも、仕事が嫌になって辞めるのではない。職場に居づらくなったのでもない。計算ずくで、次の仕事の見通しをたててから辞めるという利口さとも無縁である。 何となく、 「いまの仕事は違う...
二渡さんは4度に渡って離職を繰り返した。それも、仕事が嫌になって辞めるのではない。職場に居づらくなったのでもない。計算ずくで、次の仕事の見通しをたててから辞めるという利口さとも無縁である。 何となく、 「いまの仕事は違う...
相変わらず、見通しも計画もないままの離職である。年齢はすでに30歳。無鉄砲はもう、二渡さんの天性というほかない。何かが二渡さんを突き動かし続ける。 さて、どうしよう。まともに考え始めたのは職を離れてからだ。もう、「若い」...
必要は発明の母であるといわれる。この言い方を借りれば、不満は改革の源、ということになろうか。 店の品揃えは徐々に充実させた。バイクウエア専門店をうたう以上、バイクウエアなるものを世界中から探し出そうと試みた。だが、探して...
ある日、フラリと店に入ってくる人があった。中年過ぎの男性である。どうみてもバイクライダーには見えない。いったい何の用だろう? 「いや、うちでも同じようなジャケットの縫製をやってまして。通りかかったらそのジャケットが目につ...
「RIDERS N-3B」の売れ行きははかばかしくなかった。一言で言えば、売れなかった。そりゃあ、地方都市桐生にある、開店から間もない店である。何を売っているのか、通りすがりでは分からない店でもある。加えて、商圏人口は少...