趣味? からくり人形師佐藤貞巳さん 第19回 えびす講
からくり人形芝居保存会からは離れたが、再び火がついた佐藤さんのからくり人形熱は冷める暇がなかった。桐生西宮神社から仕事の依頼が来るようになったのである。 兵庫県の西宮神社本社から御分霊を受けて桐生西宮神社ができたのは明治...
からくり人形芝居保存会からは離れたが、再び火がついた佐藤さんのからくり人形熱は冷める暇がなかった。桐生西宮神社から仕事の依頼が来るようになったのである。 兵庫県の西宮神社本社から御分霊を受けて桐生西宮神社ができたのは明治...
佐藤さんのからくり人形創作に強い関心を持ち、曾我兄弟のからくり人形が見つかった1997年からずっと取材を続けてきたロボット学者がいる。桐生市出身で筑波大学名誉教授の松島皓三さんだ。ただ取材するだけでなく、佐藤さんの頭の中...
小黒定一さんはこんな手をしている。鉄を鍛え続けて、もう70年を越えた。 たったいま洗ったばかりだ。それでも爪の間には鉄の粉や砥石の粉、なにやら分からない粉が残って黒い。粉は手のしわにも入り込み、居座っている。 1日の仕事...
小黒さんは、古来の「鍛接法」で刃物を鍛える。 鍛接法とは、柔らかい地金(ほぼ純粋な鉄)と硬い鋼(はがね=炭素分がわずかに混じっている鉄)を熱し、鉄の粉にホウ酸を混ぜた鍛接剤を間に振りかけて槌で叩いてくっつける製法のことだ...
小黒さんの子どもの頃、桐生には機音が鳴り響いていた。いまはほとんど街から消え去った昔を懐かしみ、 「ガタン、ガタン、がチャ、ガチャというリズミカルな音でねえ。あれはジャズですよ」 という人もいる。機音を懐かしむ桐生...