小黒金物店

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第5回 小黒さんの仕事(上)

小黒さんの刃物は切れると書いた。切れ味が長持ちするとも書いた。 どんな作り方をすればそんな刃物ができるのか? 小黒さんの仕事を見た。 刃物作りは材料の切り出しから始まる。 普通の大きさの鉈を例に取る。最も一般的な鉈は130匁(約500g)だ...
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第4回 増えた小黒ファン

ぼちぼち注文が入り始めたのは、独立して5,6年たった頃である。  作るのは、習い覚えた鎌がほとんどだった。いつしか  「小黒の鎌は良く切れる」  という評判が生まれていた。教え込まれた技法に独学の工夫を加えた小黒さんは、鍛冶職人として確実に...
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第3回 独立へ

小黒さんの子どもの頃、桐生には機音が鳴り響いていた。いまはほとんど街から消え去った昔を懐かしみ、  「ガタン、ガタン、がチャ、ガチャというリズミカルな音でねえ。あれはジャズですよ」  という人もいる。機音を懐かしむ桐生人は多い。  だが、小...
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第2回 鍛接

小黒さんは、古来の「鍛接法」で刃物を鍛える。 鍛接法とは、柔らかい地金(ほぼ純粋な鉄)と硬い鋼(はがね=炭素分がわずかに混じっている鉄)を熱し、鉄の粉にホウ酸を混ぜた鍛接剤を間に振りかけて槌で叩いてくっつける製法のことだ。 鋼は焼き入れをす...
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第1回 手

小黒定一さんはこんな手をしている。鉄を鍛え続けて、もう70年を越えた。 たったいま洗ったばかりだ。それでも爪の間には鉄の粉や砥石の粉、なにやら分からない粉が残って黒い。粉は手のしわにも入り込み、居座っている。 1日の仕事を終えると、まずガソ...