芽生え

松井ニット物語

その9 リブ編み

1年目の大成功の余熱がまだ冷めない2000年11月、またA近代美術館購買担当の女性が桐生にやってきた。ニューヨークで人気が沸騰したともいえる松井ニット製のマフラーだが、同じ柄のマフラーを2年続けて並べていては飽きられる恐れがある。次のデザイ...
松井ニット物語

その8 共同開発

話を本筋に戻そう。松井ニット技研がA美術館ブランドのマフラーを作る。松井ニット技研にとっては棚からぼた餅のようないい話である。あとは細部を詰めるだけだ。最初に納品するマフラーの色、柄、素材、編み方などを決めなければならない。A近代美術館の購...
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その7 やっと来たか!

筆者が札幌に勤務した時、すっかり惚れ込んだ炉端焼き屋があった。薄野にあった「憩」という店である。転勤先が札幌と知って「美味いものが食えるぞ!」と勇んで札幌に来たものの、私の舌を楽しませる食べ物になかなか出会えず、がっかりしていた。ところがこ...
松井ニット物語

その6 職人魂

話を少し脇道に振る。凝り性でない職人は大成しない。いくら伝統の技を完璧に身につけ、名人と讃えられた先人の作と見分けがつかないものを作ることが出来ても、その職人は名人にはなれない。名人とは、常に「もっといいものを。昨日よりちょっとでも優れたも...
松井ニット物語

その5 三段切り替え

購買担当の女性が気に入ってくれた2つ目の点、房の作り方は智司社長が工夫に工夫を重ねて生み出したところだった。マフラーは、首に巻く本体部分と、両端を飾る房の部分を別々に編み、あとで縫い合わせるのが普通の作り方である。だが、松井ニット技研のマフ...