森村 秀生さん:桐生を誇りたい!

郷土史家。桐生新町に点在する稲荷の配置から、町立ての背後にある徳川家康と天海僧正の壮大な設計図を解読。独自のフィールドワークで、桐生が日光へ至る「聖なる入口」であることを提唱する。(全18回)
第1回:桐生は特別な町だ森村秀生さんは、桐生新町の町立てが他と変わらぬ普通のものだとする説に異を唱える。独自の調査から、この町は家康を祀る日光への入口として作られたと確信した。
第2回:私、骨董屋になりました家業を継ぐはずが、父の四十九日に廃業を決意。好きな道へと骨董屋を開くが、愛着から品を売れず店は閑古鳥が鳴く。そんな折、近隣の郷土史家に誘われ歴史探索の道へ。
第3回:お稲荷さん探索旧桐生新町を歩き倒し、約60もの古い稲荷発見。それらが町の外郭に45間間隔で規則的に並んでいる法則を突き止めた。町立て時の測量目印だったとの確信を得る。
第4回:お稲荷さんは町立ての目印だった!森村さんは、稲荷が土地神として広まった江戸初期の流行に着目。町立て責任者の信仰も重なり、お稲荷さんが境界杭の役割を果たしたと結論づけ、町の設計図を復元した。
第5回:現れた斜めの線町立ての法則に従わない18基の稲荷を地図上で繋ぐと、天満宮と常祇稲荷を結ぶ斜めの直線が現れた。伝承では神々の通り道とされるが、その真の目的に疑念を抱く。
第6回:大久保長安を知らねば斜めの線の謎を追う。町立ての責任者・大久保長安が死後、不正の疑いで一族断絶、遺体は晒し者にされたと知る。恩人の汚名を晴らすため、事件の裏側を探り始めた。
第7回:大久保武蔵鐙古書『大久保武蔵鐙』を解読し長安の足跡を追う。八王子の産千代稲荷神社で、長安が主君の子の成長を願いお稲荷様を祀った事実を掴み、桐生との繋がりに確信を得た。
第8回:徳川家康に挑む行き詰まり、視点を徳川家康へ。市内の栄昌寺に、家康の遺骨が日光遷座の際に止宿したとの伝承と、天海僧正ゆかりの品が残ることを突き止め、研究に光が差す。
第9回:セレンディピティ隣町の寺にも天海僧正が家康の分骨を運んだとの伝承が残っていた。かつての切り抜きが今、研究の鍵として蘇る。森村さんは直感を信じ、膨大な資料の海へと漕ぎ出していく。
第10回:年表にまとめて整理した膨大な資料を整理するため、独自の歴史年表を作成。家康の神格化や町立ての経緯を打ち込み、桐生新町町だてが一役人の手による規模ではないと確信を深めていく。
第11回:世良田東照宮世良田東照宮を訪れ、パンフレットに記された久能山から日光を結ぶ「不死の道」を知る。その直線が、桐生の町に現れた謎の斜めの線と重なることに気づき、愕然とする。
第12回:不死の道久能山と日光を結ぶ「不死の道」を地図に引くと、桐生の町に現れた斜めの線とほぼ並行した。10mの僅かなズレに新たな謎を見出すも、森村さんは独自の確信を深めていく。
第13回:山王一実神道の1家康を「権現」という神へ変えた天海僧正の教え、山王一実神道に着目。国会図書館から取り寄せた秘伝の文献を自ら現代語訳し、家康の目指した死後の世界観を読み解く。
第14回:山王一実神道の2秘教ゆえに教義が謎に包まれていた山王一実神道。最新の研究書に出会い、家康が死してなお「常に現れ権勢を示す」東照大権現として、天皇や天照大神をも凌ぐ絶対的存在に昇華された背景を確信する。
第15回:家康はどこで神になったのか家康の遺体を運ぶ遷座の旅を分析し、川越での異例の長期滞在と勅使の帰京に着目。川越の喜多院こそが、家康が「神」へと変化する儀式が行われた地だと喝破した。
第16回:家康の遺骨が通った裏街道表の行列をよそに、天海は家康の遺骨を奉じ裏街道を進んだという。深谷、桐生、大間々の寺に残る「葵の紋」や伝承を繋ぐと、そのルートは「不死の道」と見事に重なった。
第17回:鹿沼、空白の4日間鹿沼での謎の4日間は、山路をゆく天海を待つ待機時間だった。家康の遺骨は不死の道に沿い男体山頂を経て、下山後に本隊と合流。森村さんは遷座の隠された全貌を解明した。
第18回:桐生は聖なる町である町立て技術者の動静から創生期を特定. 森村さんは桐生を、家康が神として日光へ入るための「聖なる入口」と定義した。20年にわたる探究は一つの結実を迎える。