2021-08

松井ニット物語

その19 色の合唱

「カンヂンスキーの芸術論」から読み始めた。前回も書いたが、哲学、美学、色彩論など様々な要素が絡み合っている上、100年以上も前の日本語に訳されたこの本は実に難解である。見慣れない漢字も頻出する。読書が趣味の一つである私も、どこまで正確に読み...
松井ニット物語

その18 2冊の本

「その1」で書いたが、この連載を始めるとき、筆者は松井ニットデザインの原点にこだわった。美しさを愛でるだけでなく、どこからこんな「美」が生まれてくるのかを解き明かしたいと思った。「じゃあねえ、これを読んでみてくれますか」と智司社長が私に渡し...
松井ニット物語

その17 多色のリブ編み

レールさんの事務所から2度目の依頼があったのは、それから4、5年後だった。事務所を訪ねた2人に、レールさんはいった。「多色でリブ編みの服地が欲しい」いまでこそリブ編みは、松井ニット技研のお家芸である。毎年新しいデザインが出てくる毛混マフラー...
松井ニット物語

その16 ヨーガン・レール

運はいつも目の前を飛び交っており、その運をうまく掴めるかどうかは、それまでに重ねた準備次第だという。中には、運をしっかり捕まえているのに、その時は気がつかない人もいる。あとになって「ああ、あれだったのか」と手の中に納まっている運を眺めやるの...
松井ニット物語

その15 期待を裏切る

「しかし」と智司社長は当時を思い出す。「みなさん、そうそうたるデザイナーさんたちとはいえ、ラッセル編み機のことはご存じありません。ニットにはどんな編み方があるのか、こういう編み目、風合いを出すにはどうやって編めばいいのか、どんな糸を選べば求...