2021-08

松井ニット物語

その7 やっと来たか!

筆者が札幌に勤務した時、すっかり惚れ込んだ炉端焼き屋があった。薄野にあった「憩」という店である。転勤先が札幌と知って「美味いものが食えるぞ!」と勇んで札幌に来たものの、私の舌を楽しませる食べ物になかなか出会えず、がっかりしていた。ところがこ...
松井ニット物語

その6 職人魂

話を少し脇道に振る。凝り性でない職人は大成しない。いくら伝統の技を完璧に身につけ、名人と讃えられた先人の作と見分けがつかないものを作ることが出来ても、その職人は名人にはなれない。名人とは、常に「もっといいものを。昨日よりちょっとでも優れたも...
松井ニット物語

その5 三段切り替え

購買担当の女性が気に入ってくれた2つ目の点、房の作り方は智司社長が工夫に工夫を重ねて生み出したところだった。マフラーは、首に巻く本体部分と、両端を飾る房の部分を別々に編み、あとで縫い合わせるのが普通の作り方である。だが、松井ニット技研のマフ...
松井ニット物語

その4  編み方

戸惑っている2人に、彼女は言葉を継いだ。「まず、いまお手元にある松井ニットのマフラーを全て見せてください」2人はいわれるままに、全ての在庫のサンプルを座卓の上に並べた。全て、とはいっても、当時の松井ニットはOEMメーカー(取引先の注文に応じ...
松井ニット物語

その3 ワンダフル!

智司社長の奥さんが入れたお茶を前に、訪れた3人の話はA近代美術館の説明から始まった。智司社長、敏夫専務の記憶によると、こんな話だった。1929年に開館したA近代美術館は、近代芸術を世界中から幅広く集めて展示しています。「美」を生み出すのは、...