2021-08

松井ニット物語

その29 あなたの1本

こんな作業を毎日のように繰り返す。クリムトに寄り添い、クリムトから離れ、さらに壊して松井智司の世界を作る。そんな作業だから、一つの色系のマフラーが5、6種類出来る。ちょっと見るだけなら同じに見えるが、もう一度見るとそれぞれが微妙に違っている...
松井ニット物語

その28 クリムト

智司社長が新しいデザインに取り組むのは、毎年3月から6月のことである。この間、冬物商品であるマフラーの生産はほぼ止まる。この暇な時期を使って次のシーズンに向けた色の組み合わせを考えるのが長年の習いだ。さて、どんなマフラーを作ろうか。新しい糸...
松井ニット物語

その27 UNTHINK

桐生に「UNTHINK」という勉強会が出来たのは、1995年のことである。立ち上げたのは黒沢レース(太田市)を率いた故黒沢岩雄さんだ。この年、桐生市にある群馬県繊維工業試験場の親睦団体である群馬県繊維工業技術振興会の会長に黒沢さんが就任した...
松井ニット物語

その26 指名買い

これだと思うものが編み上がると、次は染色である。敏夫専務は商社時代、化学の知識も身につけていた。仕事に必要になったため、メーカーの研究所を尋ねて教えを請うたのだ。だから思いついた。「特殊な帯電防止剤と柔軟剤を私は知っている。あれを使えばミン...
松井ニット物語

その25 世界一

松井ニット技研が生み出したマフラーが、突然「世界一」に選ばれたのは、2013年夏のことだった。コンテストがあって応募したのではない。宇宙飛行士、毛利衛さんが館長を務める日本科学未来館が勝手に選んだのである。この年の4月、大阪・梅田に開業した...