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ミシンの魔術師—大澤紀代美さん
第8回  パリ

大澤さんが、芸術の都パリで個展を開いたのは1993年のことである。 「糸の出会い展」 とタイトルを付けた。 といっても、自分で企画し、準備したのではない。お膳立てされて、それに乗っかった。 「パリで個展をやりませんか」 と誘ったのは、刺繍糸...
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ミシンの魔術師—大澤紀代美さん
第7回  個展

見知らぬ人からの手紙を受け取ったのは1975年秋だったと記憶する。天下の日展からは門前払いを受けた大澤さんだったが、そのころには「知る人ぞ知る」刺繍作家として世に認められ始めていた。突然の手紙を受け取ることも増えていた。 差出人を見ると、記...
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ミシンの魔術師—大澤紀代美さん
第6回 デザイナーたち

いまでは「ドン小西」と表現した方が通りがいいかも知れないファッションデザイナー、小西良幸さんとの仕事が始まったのは、カーンとの仕事が終わって間もない1987年のことだった。知り合いの女性に「小西さんと会ってみませんか」と誘われ、東京まで足を...
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ミシンの魔術師—大澤紀代美さん
第5回 プレタポルテ

いま振り返れば、1970年代代はプレタポルテ(高級既製服)の隆盛期だった。プレタポルテの語源は、英語でready to wearを意味するフランス語である。それまで既製服は「コンフェクション」と呼び習わされていたが、どうしても「安かろう、悪...
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ミシンの魔術師—大澤紀代美さん
第4回 背景

視線の鋭さ、光の当たり方による目の表情の変化、毛並みの美しさ、髪の流れの自然さ。大澤さんの刺繍画には、他の追随を許さないいくつもの特徴がある。 それらは、ひょっとしたら他の人の作品と見比べて初めてはっきりする特徴かも知れない。だが、これだけ...